刀剣乱舞の短編小説一覧です。BLを含むものは「★」の印がついております。

NOVEL,刀剣乱舞,短編

 夜遅くまで薬を調合していたせいで、眠気が酷い。ただ、決して初めてのしんどさではない。前の晩に重傷者が大量に運び込まれてきたときと比べれば、寧ろしんどくないとさえ言える方だ。
 薬研藤四郎は、白衣の裾をふわふわと揺らして欠伸を ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

★注意(必読)★
・捏造要素過多
・闇堕ち表現あり
・刀剣男士同士の戦いあり
・本能寺爆発説を採用

 ――――?年?月?日。
 火の爆ぜる音がする。焦げて、支えが利かなくなった天井の ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

 障子の木枠を叩く音がする。溜息を吐いて、今まさに開封しようとしていた甘酒の瓶を文机の上に置き、重い腰を上げた。何気なく壁にかかる小規模の時計を見やって、いつもより早いなと思う。身構えながら、障子を開けた。
 ―――瞬間、目と ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

「甘えるってどうやるんだ」
「あなたは相談相手を間違えていると思うよ」

 真剣な顔で放たれた言葉に、僕は思わずそう返していた。燭台切さんが剥いてくれた柿と、一緒に渡して貰った緑茶を、目の前で頭を抱えて突っ伏す薬研に ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

 あいつは俺を嫌っている。

 別に何をしたわけじゃない。ただ、幾千もの戦いを経てたどり着いた先で、それこそ死ぬほど探し求めていた短刀を見つけたのは俺だった。一目で、それが「不動行光」であるに気付いた。
 普段は粟田 ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

 記憶喪失という病気がある。
 物理的に、あるいは精神的に大きな衝撃を受けたときに発症したり、何か重い病気のせいで併発したり……まあ、原因は色々考えられるらしいが、それまでの自分のことも、周りのことも忘れてしまう病気だと言う。 ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

 いつもと同じ時間に目が覚めた。働かない頭。しかし、慣れきってしまった「人」としての体は、一日の始まりを何の違和感もなく受け入れ、何も考えずとも動き出してくれる。起き上がって、どうせ目なんて覚めやしないのに、何度も頭を振った。くあり、 ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

「ふざけてんのか! もういっぺん言ってみろ不動!!」
「うるせぇいい加減にしろよ! 出て行け!!!」

 安穏とした昼下がり。突然、本丸の屋根が吹っ飛ぶような声が迸り、自由に過ごしていた刀剣達は弾かれたように動き出し ...

NOVEL,刀剣乱舞,短編

 顔面蒼白になった審神者の前で、からりと笑い手を挙げたのは、今回第一部隊の隊長を務めた鶴丸国永だ。彼の特徴といえば全身の真っ白な、まさに「鶴」と言えるような容姿であるが、今はお世辞にも「白」とは言い難かった。体中の至る所から血が流れ落 ...